日本の伝統的な横笛(龍笛・能管・篠笛)奏者 あかる潤の活動情報ページです。

Pick UP!

イチオシ公演

和楽器・声楽・日本舞踊で綴る
大正時代からのメッセージ

8月16日(水)17時開演 
上野精養軒
観覧料金 3000円

ろーまん和楽団 事務局
電話 070ー9122ー8524
お問い合わせメール先
romanwagakudan@gmail.com

 大正時代14年間は東京音楽学校を中心にクラシックと邦楽が充実した邂逅を果たし、春の海など沢山の日本的音楽が作られた時代。また、カルピスやトンカツ、カフェ文化や商業アートなど魅力的な日本のポップカルチャーが発達した時代でもあります。  コロナ期に藝大で共に学んだ若い友人たちと同じ新宿区に住み、数多くの日本歌曲を歌っている青山恵子先生のお力を借り、声楽×箏×邦楽囃子×日本舞踊という構成で 当時の邦楽と洋楽の交わりを再構成する試みです。 会場は私が20年以上出雲大社神前式の楽人をさせて頂いている、大正期洋食文化の先駆けとなった上野精養軒の式場を特別にお借りしました。 会場からの心意気でご来場の皆様には特別プレゼントもあるとのこと⭐︎

演目の選定や編曲作業が進むうちに、大正時代の音楽には「祈り」や「小さな日常への慈しみ」が溢れていることを発見しました。 令和時代が幸せな時代になることを願いながら演奏いたします。 ぜひ、ご来場頂けましたら幸いです。

 
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⭐️演目⭐️
うたこと三番叟
大正天皇の即位を祝して全国で三番叟が演奏されたそうです。
この曲は翁と千歳と三番叟の3種の役が豊作を願って舞う呪術的な演目。
二部構成で演奏します。
「翁花魁の段」祝賀ムードに沸く浅草、艶やかな花魁の舞のあと厳かな式楽が始まります。
「稲妻と三番叟の段」
 田植えが終わり、稲の成長を見守る季節。田んぼの精霊たちが活力を得るように人々はめでたいことを想像して「三番叟」のリズムで大地をふみしめます。また慈雨が降るように祈りの美しい歌を歌います。やがて、空に雷鳴が、稲妻は田んぼに栄養を与える豊作のめでたい兆しです。雨が上がり稲穂が実るように鈴を鳴らして祈りの舞が続きます。
「さしそう光」
 春の海で有名な宮城道雄氏が平成上皇の生誕を祝して作曲。近代における皇室の神格化の雰囲気を見事に現した曲調は、大正から昭和に至る時代を感じる上で貴重な音楽ともいえます。今回は日本舞踊を入れました。 
「大正詩人たちの歌」
 童謡作曲家、弘田龍太郎は大正14年の間に多くの童謡・歌曲を作曲しました。彼の曾孫あかる潤が多くの曲から厳選した名曲を取り上げます。特に「小諸なる古城のほとり」は名曲といわれつつ、実は解釈が困難な曲でもあります。20年におよぶ邦楽研究成果を初めて披露いたします。
⭐️出演者⭐️
日本舞踊 花柳美匠治郎 花柳與扇
箏曲 宇山葵 城戸さくら
邦楽囃子 藤舎英心 堅田喜之祐
客演 メゾソプラノ 青山恵子
編曲・横笛演奏 あかる潤
 
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NEWS

最新情報

2023年7月26日

新宿オペラシティリサイタルホールにて声楽家、青山恵子氏のリサイタルに出演します。
詳細はこちら☟をクリックしてサイトをご覧ください。 

新宿オペラシティコンサート情報

2023年8月16日

東京アーツカウンシルより助成金決定!上野精養軒にて自主コンサート「大正期からのメッセージ」を開催いたします。

2023年8月20日

高知県安芸市にて小鼓とサヌカイト打楽器のコンサートに出演します。

2023年9月9日

朗読工房TUGUMI 源氏物語「藤壺」の音楽を担当します。
詳細はこちら☟をクリックしてサイトをご覧ください。
朗読工房TUGUMI WEBサイト

料亭 泉岳寺紋や

篠笛演奏パフォーマンス
2023年9月16日 18時10分ー 19時ー 20時

仇討ち時代劇で有名な赤穂浪士の菩提寺である泉岳寺のお隣にある「紋や」は富山から直送された新鮮な魚と野菜などの食材を中心とした創作懐石料理です。和風ながら、お席はカウンターから個室魔で全席椅子席なので靴を脱いだり正坐せずに美味しいお料理とお酒を楽しむ事できます。
ここでは土曜日に箏と尺八と笛が週替わりで演奏パフォーマンスをしています。
ミュージックチャージ料はありませんので、ぜひ美味しいお料理とともにお越しくださいませ!

紋や WEBサイトはこちらから

JR山手線 高輪ゲートウェイ駅 徒歩10分
都営浅草線 泉岳寺駅 徒歩2分

 
お問い合わせはこちらから

ESSEY

時々邦楽の小話を一つ書いていきまーす。

日々邦楽 第19回

3つの「城ヶ島の雨」

雨がふるふる、の歌い出しで有名な「城ヶ島の雨」は大正2年(1913年)10月に北原白秋作詞、「どんぐりころころ」などで著名な梁田貞により作曲された楽曲が有名です。28歳の白秋は3つ下の隣家の若く美しい人妻との不倫騒動で収監され、人気も地におちて、、そして出獄後に当人と結ばれて三浦半島にて再起を図り始めた頃の作品です。(お相手もかなり小悪魔な性質のようで14ヶ月後には離婚しますが、、、)冒頭の絶望からの好転ぶりの詩情が曲にも反映された名作。三浦半島のご当地ソングとして今もなお愛唱されています。(私のイチオシは美空ひばりさんが1963年に歌われたもの「城ヶ島の雨」は他に2つの曲が書かれています。一つ目は「赤とんぼ」「ふるさと」で有名な山田耕筰が11年後の大正13年(1924年)に制作。
当時欧米で流行していたクラシック音楽の要素をふんだんに取り入れて、この詩じゃなくてもよくね?と思ってしまう曲に聞こえました。作曲年代は山田氏がN響の前身となる日本交響楽協会を設立した頃なので、世界と勝負したいという気負いに溢れていたからかもしれませんね。
 二つ目は橋本国彦氏によるもの。橋本氏は弘田龍太郎より一回り年下ですが、東京音楽学校でチェロを専攻し、作曲し、ウィーンに国費留学し、帰国後は母校で教鞭もとる。という点で似た経歴を歩んでいます。唯一違うのは戦時中に芸大の教授職であり、軍歌等を精力的に制作したため、公職追放の憂き目となったこと。心労がたたり46歳若さで胃がんで亡くなります。才能あふれた作曲家であり良き指導者だったそうで弟子として伊福部昭など素晴らしい作曲家を輩出しています。
フルートの一節からはじまる楽曲は、城ヶ島海岸の夜明けの雨から少し青空が見えてくる情景描写に優れた繊細な印象。特にフルートのパートの装飾音の指定が細かくあり、これは弘田龍太郎が芸大助手教授時代(橋本氏は大学生)に携わっていた日本音楽の五線譜化作業に何らかの関連があったからかもしれないと想像しています。
橋本国彦氏の晩年の代表作には日本国憲法発布を記念した交響曲2番という作品があります。驚くほど緻密、かつ日本の再興を願う情熱にあふれた作品で、零戦やその後の工業大国として成功する日本の礎を作った当時の人の力に圧倒されます。

2023年5月12日

Memory

公演記録

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